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佐藤 達彦
no journal, ,
生物学的効果比(RBE)の正確な評価は、イオンビームや標的線治療の治療計画において必須となる。したがって、イオンビーム治療のRBEを評価する様々なモデルが提案されてきた。一方、RBE評価は、放射線防護分野でも重要となる。なぜなら、ICRP次期勧告にむけて皮膚障害や白内障に対する新たな線量限度値を設定するためには、そのRBE評価方法の決定が不可欠となるからである。そこで、ICRPでは、RBE評価に関するタスクグループを立ち上げ、この問題に取り組んでいる。本発表では、最近の医学物理分野におけるRBE研究の現状をレビューするとともに、その結果が放射線防護分野に活用できないか議論する予定である。
佐藤 達彦
no journal, ,
1983年にICRUはマイクロドジメトリに関するレポートを発刊した。その後、マイクロドジメトリに関する研究は測定・計算の両面で多大に進展した。具体的には、従来から使われてきたガス比例計数管のみならず、マイクロドジメトリ量を測定するための様々なタイプの新しい検出器が考案された。また、新しい飛跡構造解析コードが多数開発され、DNA損傷評価のような放射線影響研究に利用されている。このような背景から、ICRUは、マイクロドジメトリに関する新たなレポート発刊を決定し、現在、その執筆を進めている。本発表では、その新しいレポートの内容を紹介するとともに、その知見が将来の放射線防護指針策定に関わる線量評価にどのように活用できるか議論する。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; 甲斐 倫明*; Schneider, T.*; Lecomte, J.-F.*
no journal, ,
算出されたリスクに基づく放射線防護基準の根拠を検討する際には、統計的なベンチマークデータが必要である。これまでは、英国王立協会のリスク評価研究がベンチマーク統計として用いられてきた。本研究では、ベースラインとなるがんの罹患率と死亡率に着目し、放射線に関連するがんリスクと比較する。ここでは、各国のがん罹患率と死亡率のデータを用いて計算した生涯死亡リスクと罹患リスク、障害調整生存年(DALYs)を発表する。結果の一つとして、各指標は国間によって異なり、生涯死亡リスクは0.120.30、生涯罹患リスクは0.220.54、DALYsは0.0100.044yの値を取り、放射線に関連するがんリスクと比較する際に有用なデータを提供した。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; 甲斐 倫明*; Schneider, T.*; Lecomte, J.-F.*
no journal, ,
ICRPでは、放射線被ばくによる健康への有害な影響を定量化するために"デトリメント"という概念を利用している。デトリメントは、致死的ながんの致死割合、非致死的ながんに罹患していることによるQOLの低下、害が発生した場合の余命損失が考慮されている。デトリメントは、放射線被ばくの分野でのみ使用されている指標であり、化学分野や環境分野などで使用されている他のリスクと比較することはできない。そこで本研究では、他の分野でも利用されているリスク指標DALY(病的状態や障害、早死により失われた年数を表す)に着目し、放射線被ばく時のDALYを37か国で求めた。DALYは被ばくで生じたがんによる死亡で短くなった損失余命と、がんの症状の重さと罹患から死亡までの長さに応じて失われた健康年数の和で求めた。ここで被ばく条件は、被ばく時年齢1865歳(職業被ばく想定)、被ばく線量20mSv/y(生涯約1Sv相当)とした。その結果、DALYは0.0030.007y/人となり、諸外国の死亡率の上位である虚血性心疾患と脳卒中(0.010.1y/人程度)よりも低い値であった。
吉富 寛; 辻 智也; 西野 翔; 谷村 嘉彦
no journal, ,
外部被ばくにかかる線量測定は、ICRUの提唱する実用量で設計・校正された線量計によってなされる。したがって、適切な測定のためには、実用量に基づいた校正や線量計の性能を確かめる試験を行う放射線標準場が不可欠である。日本原子力研究開発機構の放射線標準施設(FRS)は、国家標準とのトレーサビリティを確保した世界有数の放射線標準場であり、国内唯一となるJISに基づく線量計の特性試験が可能な登録試験所としても機能している。一方、ICRUはICRPと共同で2020年にこうした線量測定の基礎としている実用量の定義を変更する報告書を刊行した。そこで、本研究では、FRSの持つ包括的な標準場を利用し、新実用量での校正やエネルギー・方向特性試験を行える環境を整備し、線量計の性能に実用量の定義変更がもたらす影響を評価した。標準場における線量換算係数の評価からは、低エネルギー光子場、眼の水晶体モニタリングに対する線場、中性子場、さらには放射線入射角度が大きい場合に実用量変更の影響が大きいことが示唆された。また、代表的なサーベイメータや個人線量計について、これらの標準場を用いてエネルギー・方向特性を取得し、その影響の程度を調査した。
Jin, Q.*; 迫田 晃弘; 飯本 武志*
no journal, ,
ラドン-222はウラン系列に属する希ガスであり、肺がんのリスク因子として知られる。一方、環境動態のトレーサーとしても広く使用されており、ラドンの挙動理解や測定技術に焦点を当てた広範な研究が行われてきた。土壌のラドン散逸率に関する先行研究では、温度、気圧、湿度、土壌状態、土壌含水率などの様々な影響因子が検討されてきた。ラドン散逸率のin-situ連続測定において最も単純な測定方法は、土壌表面に蓄積容器を長期間設置してラドンを捕集・測定することである。しかし、本方法は容器内の土壌や空気の温度、土壌水分や湿度の土壌条件などの環境因子に影響を与え、蓄積容器の内部と周りの間で土壌のラドン散逸率の測定結果に差異が生じる可能性がある。同一箇所に蓄積容器を長期設置することが測定結果にどのような影響を及ぼすのかを調べるため、オープンループ型の蓄積容器に基づくin-situ測定法を用意し、連続測定とスポット測定での結果の違いを比較検討している。本研究により、環境因子の変化、特に蓄積法で測定中のラドン散逸機構が明らかにでき、ラドン散逸率の測定結果の精度を向上させることが期待できる。